2018.11.24(土) 最終更新日2020.10.16 16:07
美容室サインポールの蛍光灯が点かない
蛍光管ランプをLEDに取り替える
美容室サインポールの蛍光灯が点かなくなった
先日、美容室のオーナーさまから「蛍光灯ランプ」がきれているので交換して欲しいとのご依頼がありました。なにやらいつも頼んでいた業者さん(美容器具の問屋)の担当者が退職されたとかで、その会社のなかで交換できる人がいなくなってしまったそうです。
分解
本来であれば、上下のカバーを取り外して、電源コネクターを抜き、上側の固定金具のネジをはずし、蛍光灯が取り付けられているバーを上から抜いて蛍光灯ランプを交換するのですが、本体が軒天のすぐ下に設置されていてバーを抜くことができなかったので一旦本体を取り外さなければなりませんでした。
点検
蛍光灯ランプと点灯管を交換してみる。
蛍光灯ランプ(直管30形)が2本、上と下に取り付けられていました。点かないのは上側の1本だけですが、ついでと言っては何ですが2本とも新しいものと交換しました。
でも、やっぱり上側の1本は点きません。…ということは「安定器」という主要の部品が故障していると思われます。
ここでご相談
修理(安定器交換)もできなくはありませんが、今後の蛍光灯ランプ交換にかかる手間(蛍光灯ランプ代+交換手数料)を考慮して今回は内部照明をLEDにリニューアルすることにしました。(省エネにもなりますし)
でもやっぱり、おすすめは「本体一式ごと新しいものに取り替える」です。
LED化にする。
方針を決める
早速、作業にとりかかりたくなりますが修理マニュアルなど資料がない場合は、分解前がどのような状態になっているかをよく観察します。気になるところがあれば写真を撮ったりマーキングしたりします。
安定器を取り外す
こちらが故障の原因と思われる部品の「安定器」です。
安定器と一緒に点灯管のソケットも必要ないので取り外してしまいます。
AC電源パイパス工事
製品によって結線方式が違いますので取説をよく見てから工事を行います。また、LED蛍光灯からLED蛍光灯に取り替える場合でも結線方法が違うものを取り付けしてしまうとランプを破損させてしまうことがありますので注意しましょう。ちなみにこの作業は「電気工事士」の資格が必要になります。
LED蛍光灯取り付け
LED蛍光灯を取り付けて点灯試験を行います。
組み立てと試運転
全部組み上げて再度試運転をします。
本体を取り付ける
これで遠くから見ても「お店が開いてるっ」っていうのがわかりますね。
ワンポイント
冬場は寒さでプラスチック部分や電線が硬くなって壊れやすくなるので、できれば室内に持ち込んで作業することをお勧めいたします。(温かい日にするとか)
今回も先人たちが苦労された痕跡がいくつか見受けられましたので、できる範囲で補強・修正をしました。
また、繰り返しになりますが、LED蛍光灯ランプは製品によって配線方式が違います。配線方式を間違えるとランプを破損させてしまうことがありますのでくれぐれもご注意くださいね。(LEDからLEDに交換する際にも)
ちなみに「工事不要」というものもありますが、これもまた安定期が故障してしまうと点かなくなるなどのリスクがあります。当店ではあまりお勧めしていません。
おわりに
今回のような特殊な修理(工事)は日頃からコミュニケーションのとれている馴染みのお客さまとの信頼関係があるからこそできるお仕事なので、全てのお客さまにできるサービスではないということをどうかご理解ください。
なので、もしよろしければ、近くても、遠くても、店頭でも、訪問でも、SNSでも、ぼくと仲良くしてくださいね。
そういった「かかりつけの○○屋さん」がたくさんできるといいですね。