2018.10.31(水) 最終更新日2018.10.31 10:06
「ちょっと診てほしい」とは
ちょっと診て欲しい
「ちょっと」って便利な言葉です。でも具体的にどのぐらいなのかはその人の感覚に委ねられます。ここが日本語の難しさなのでしょうか。いたってファジーです。
お客さま、ちょっとヒューズがとんでいます。
先日、ハンドミキサー(スティックブレンダー)が動かなくなってしまったとのことで修理に持ち込まれました。
(ネット通販で2〜3千円のものでしょうか)
シリアスなケース
初めは当店の取り扱いメーカーではありませんでしたのでお断りをしたのですが「どうしても分解して診断して欲しい」ということで分解してみることにしました。
この時点でもはや「ちょっと」ではなくなっています(笑)
原因は「ヒューズの溶断」でした。
使われているヒューズも汎用のものではなく当店では部品を入手することができませんでしたのでそのままお返しすることになりました。
分解する前からこうなることはだいたい予想していたのですが、お客様の中にはご自身の目で確認したいという方もいらっしゃいます。
ヒューズがとぶ
いつもより大きな電流が流れた、熱を持った、製品の故障など、これ以上使い続けると危険な状態になるとヒューズを溶断させて動作を止めるという大切な役割をしています。
(正常に動作しているときにヒューズが溶断することはめったにありません)
ヒューズの種類はいろいろ
ヒューズと言えば「ガラス管ヒューズ」ですが他にも温度ヒューズや平型ヒューズなど、形状や容量の種類がたくさんあります。
(形状が一緒だからと言って容量の違うものを取り付けて使うのはとても危険です)
ヒューズを交換して使い続けるパターン
汎用性のあるヒューズを使用しユーザーでも簡単に交換できるようになっている製品もありますが、ほとんどの製品は本体の内部にヒューズが取り付けられていてサービスマン(修理技術者)が分解して交換をするようになっています。
当然のことですが、まず先に不具合箇所を直してから最後にヒューズを交換します。そうしないとヒューズが何本あっても足りませんね。(繰り返しになりますが)
諦めが肝心
(個人の感想です)
「数千円の電気製品」をお使いになられる際は「保証書とレシート」をきっちり保管しておきましょう。最低でも保証期間中の1年間は使うことができます。また、延長保証に加入できるなら延長保証もつけるのも良いと思います。
そうでなければ、修理工賃、点検料、技術料の方が高くつくので諦めて買い替えましょう(笑)
どんなに修理の腕が良くても部品が手に入らなければ直せませんね。
ちょっと、ちょっとちょっと…
ぼくの中で「ちょっと診て」というのは正式に修理依頼するわけでもなく、簡単に直るのなら直すし、正規に料金がかかるのならやめる。そんな風に認識しています。
何かあったときに責任を負うのも「ちょっと」ならいいのですが、そういうわけにもいきません。
なので「修理技術者」ぼくは超リスペクトします。