YODEN YOME SHINOBU - 田中 忍

ハムエッグ丼を作って食べた2019年3月11日月曜日の朝のはなし。

鉄のフライパンをアツく熱している間に冷蔵庫からハムと卵を取り出す。冷凍庫で凍らせているごはんを出して電子レンジに入れる。「あたため」っていうボタンを押すと勝手に良い感じにあっためてくれる。便利極まりない。最近見たテレビで冷凍ご飯はラップに包むとき四角じゃなくて丸くするほうがいいって言っていたのでその通り丸いかたちにして凍らせていたバージョンで、確かに温めムラがない。というかビストロはそもそも温めムラがあまりない。テレビの情報はとりあえず一度自分で試すタイプだけれど、丸いとジップロックに収まりが悪いので次からは四角に戻そうと思ってる。

ごはんがあたたまったころ、フライパンも良い感じに煙がもわーっと立ち上がるか上がらないかくらいまで熱されたのでまずはハムを2枚焼く。ハムがじゅーじゅー言いながら油がフライパンの外にまで跳ねているけどおかまいなく焼いていく。火加減はずっと同じ。IHクッキングヒーターの強めの中火の5のまま焼いていく。ハムはそんなにしっかり焼かずさっとまわりがカリッとしてきたら取り出す。カリカリではなくてカリッとくらい。ごはんの上で待機してもらおう。

フライパンはそのままで、さて、いよいよ卵。

今までの40なん年の人生の中でこれほどまでにハムエッグ丼を作りたい衝動にかられたことがあっただろうか。いやない。(即答)料理家である土井善晴氏のアプリでこのレシピをみた時、ハムエッグ丼なんて誰でも作れるのにどうしてわざわざーと思ったのは正直な気持ち。それでも見てみた。レシピ動画を。いつのまにか前のめりで見ていた。小さなスマホ画面に前のめり。

見終わった後、とにかく冷蔵庫の卵を切らしてしまっていた自分を責めたし、しかもハムとごはんだけはあるっていうとにかく卵待ちの状況に途方にくれた土曜の夜。

そんなことは今は良くって、とにかく目玉焼きを作る。目の前には昨日買ってきた卵がある。

ハムを焼いた余韻でまだまだ熱い鉄のフライパンには卵を焼くのに十分な油があったのでそのまま足さずにいく。卵をキッチンの天板に軽くコツンと当ててフライパンに割り入れるとハムの時よりさらに良い音でじゅーじゅーいっている。白身の外周から火が入っていくのがわかる。もう一個の卵も割り入れる。時間差でまた同じようにじゅーじゅーいいながらさっきの卵にくっついて焼けていく。ここからは焼き加減を見ていくだけ。あとはすることはないので時々IHクッキングヒーターの天板に跳ねた油をふきんで拭きながら焼いていく。土井先生は白身のフチがカリカリになる感じに焼くのが美味しいと言っていた。完全に同意。

ここでふたをして黄身が蒸されてうすいピンク色になる焼き方が好きな人と、黄身は黄色のままでふたなしでカリッと焼き上げるのが好きな人と好みが別れると思うのだけれど、私はどちらも好き。けどこのハムエッグ丼はカリッと黄色いままで焼いていく。

いよいよ白身がだいたい焼け、まわりのカリカリ加減は最高潮に達してきたので火を止めごはんとハムの待ち受ける丼へ滑らせる。丼から少しはみ出た白身の部分はカリカリだ。何にでもかけちゃう癖があるのだけれど今かけないでいつかけるの?っていうくらいこの目玉焼きには黒胡椒だと思うので迷わずかけた。しょうゆも垂らした。

終わった。

ハムエッグ丼が完成した。

白身のことに気を取られてはいたけれど、黄身の焼き加減ももちろん半熟で。

おそるおそる箸を入れるとスローモーションで黄身が流れ出した。動画や写真を撮っていたスマホを置き、ありがたくいただくことにした。溢れ出した黄身は静かにハムの下のご飯に染みていく。しょうゆの量は足りなければ追加する。食べながら調節していく。箸でハムをちぎりながら黄身色に染まったそのご飯を巻いていく。口に入れる。最高においしい。

こんなただの朝ごはんの話を長々と書いていられる状況も幸せだと思うし、それが出来る2019年の今日にも感謝。

2019年3月11日(月)の朝。いたって普通の朝ごはんの風景に感謝します。とってもおいしかった。

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ようでんのヨメ 田中 忍(シノズ)

1974年生まれ水瓶座。結婚3年目に「まちのでんきや」という未知の世界に足を踏み入れ今年で14年目。 店舗内で接客を担当。 毎月の料理教室、SNS、販促関係全般、補聴器が主な担当業務。最近はシノズキッチンでスパイスセットを販売している。 毎日更新のブログでは「まちのでんきや」の仕事内容や、家電にまつわる情報、料理のレシピを発信。 「ダイエットしなきゃ」と言いつつビールを飲むことが何より大好き。

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じゃがいもが主役のレシピ3選本格的にじゃがいもが美味しい季節がやってきました。保存性も良く毎日の食卓に欠かせないなじみの食材です。あと一品という時やお子様のおやつ代わりに、お酒と共に。食卓で大活躍のじゃがいもレシピ是非お試しください。

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